インプラント治療は、具体的にどのような手順で行われるのでしょうか。
事前検査から実際の手術の流れ、術後のメンテナンスまで、段階を追って見ていきましょう。
インプラント治療の大まかな流れをご説明します。
インプラントの治療期間は3ヶ月〜2年と、人によって異なります。さらに手術が終わってからも、その後のメンテナンスに通院が必要です。
糖尿病などの症状を抱えている人は術後に炎症を起こしやすく、インプラント治療には不向きです。
トラブルを防ぐため、自己申告だけでなく事前にしっかりと検査を行うことが大切です。
歯周病、タバコの喫煙習慣、糖尿病の状態、顎の骨が少ない/弱っているなどなど……。
インプラント治療に適さない状態を把握するため、さまざまな検査を行います。
CT検査により、顎骨の形状や骨質を3次元的に解析し、その後インプラント専用のシミュレーションソフトで設計します。
これにより安全・確実にインプラント治療が行えます。
糖尿病や貧血の症状がないかどうか、また肝臓や腎臓、感染症にかかっていないかなど、全身の状態を詳しくチェックします。
すでに血液検査を行っている方は、そのデータをご持参ください。
歯周病がひどい場合は、インプラント治療の前に歯周病の治療を行う必要があります。
インプラント手術には、大きく分けて「1回法」と「2回法」があります。
インプラントを埋め込む部位を切開して顎の骨を露出させ、ドリルで穴を開けてインプラント体を埋め込みます。
ツーピースタイプの場合は「ヒーリングアバットメント」と呼ばれる仮の被せ物をして、インプラントと骨が結合するまで数ヶ月おき、通常のアバットメントに付け替えて人工歯を接続させます。
主に、ツーピースタイプを使用。1回法と同様に顎の骨にインプラント体を埋め込み、接合部を封鎖スクリューでネジ止めしたあとに、上から切開した部分を縫合します。
数ヶ月待ち、縫合した部分を再度切開して、ヒーリングアバットメントを入れ、さらに数週間待ちます。
その後型取りをして、人工歯を装着します。
インプラント治療は、手術が終わったら全て完了というわけではありません。天然歯と同様に毎日のブラッシングを入念に行うことが大切です。
インプラントの寿命を延ばすためにも定期的に通院し、ネジのゆるみなどもチェックするメンテナンスを行いましょう。
術後のメンテナンスを怠ると、アバットメントが緩んでガタつきや脱落が起こることもあります。
また、日頃のブラッシングを怠っていると歯肉炎やインプラント周囲炎になり、インプラントがダメになってしまう可能性も……。状況によっては、インプラントを除去することにもなりかねません。
アフターケアを忘れないようにして、インプラントを長く保ちましょう。
「インプラント治療って痛いのでは」といった不安を抱えている方も多いと思います。
インプラント手術時の痛みや、その後の腫れについてご説明します。
インプラントを埋め込む際には麻酔を使用するので、手術時に傷みを感じることはほとんどありません。(※顎の骨が堅い方は、まれに痛みを感じる場合があります)
麻酔が切れた際の痛みには、鎮痛剤で対応します。
術後の腫れは手術の状況によりますが、術後3日目をピークにだんだんひいてくるケースがほとんどです。
手術箇所や内容によっては内出血し、頬が紫色や黄色っぽくなることもありますが、2週間ほどで完全に元に戻ります。
どうしてもインプラント治療が怖い方は、大学病院と同じく「静脈鎮静法」を行うことができます。大学病院の麻酔専門医に来てもらい、処置することになります。
これは強い麻酔で、半分寝たような状態で手術を受けられます。術後数時間休んで頂いてからの帰宅になりますので、お車での来院はお控えください。
顎の骨の高さや幅が足りないとインプラント体を埋め込むことができず、そのままではインプラント治療を行うことができません。
そんなときに有効なのが、「骨造成」です。
骨の移植や造成を行い、インプラントを埋め込むのに必要な骨を補います。
自分の他の部位の骨を移植する方法や、牛骨もしくは人工骨を顎に移植する方法があります。
自分の骨を移植することを「自家骨移植」といい、インプラントでは主に下顎の親知らず付近の骨を使用します。
当クリニックでは、日帰りで手術が可能です。手術自体は30分〜1時間で終わります。
術後は安定するまで3ヶ月〜半年程の治療期間が必要です。